★mission4:とりあえず2人を防衛せよ★

「な、何を……。」
徹がいい終わらないうちだった。
「デリット!」
セウルはそう叫び少年へと銃をうった。

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(どういうつもりだ!)
徹はそう言おうとしたがそれは口の中で消えた。
セウルが少年へうったものは弾丸ではなく光の塊のようなものだった。
それはまっすぐ少年へ向かっていきぶつかり、少年が倒れると同時に消えた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「待って!」
慌てて倒れた少年へ駆け寄ろうとする春歌をセウルはそう制した。
「まだ危ないから……。」
彼はそう言って視線を少年から離さなかった。
と、まるでセウルの言葉にあわすかのように少年の体は突如光りだし、
光が消えたと思った瞬間、少年の近くには黒い光の塊が現れた。
「あ、あれは……。」
不思議そうに二人はそれを見る。二人にはそれがどことなく危険なもののような感じを受けた。
「出たか…。」
セウルはその光をにらみ銃を構える。
と、黒い光の塊は即座に狼の形へと変貌する。

   ツライ・イキタクナイ・ナンデボクダケ…?
   ボクハナンデイキテルノ?・イキテテイミハアルノ?

そして、形を変えたかと思うと、突如セウルへと襲い掛かってきた。
「くっ!」
慌てて防ぐセウル。
とっさに光の塊(狼といった方がいいだろうか)に銃口を向けさっきとはまた違う光を狼へと放つ。
交わしきれなかった何発かが狼へとあたり、その部分が一瞬消える。
・・・
正直、様子を見る徹と春歌は呆然と見るしかできなかった。
特撮映画か何かのような映像が目の前に繰り広げられている。
でも、これは細工も見当たらない現実だ。
「おい、これは…。」
様子にとまどう徹がセウルへと声をかけようとする。
「だめだ!今しゃべるな!」
慌ててセウルは言うが、狼は二人の方へと向かう。
「やめろ!」
銃口を狼へと向けセウルは慌てて引き金を引く。
光の攻撃にたいし、再びセウルへと向かっていく狼。
再び狼の相手をしながらセウルはしゃべりだした。
「詳しい話は後!ともかく、こいつの闇の光に人間が触れるとまずい!注意してくれ!」
二人へ背を向け、引き金を引き続けるセウル。
その言葉に二人はただ頷くしかなかった。

戦いがしばらく続く。
さっきからの様子を見るとセウルのほうが力が強そうである。
だが、この戦いでは二人の方へとこの光をやらないようにしながら
戦っているのでこのお構いなしにセウルに挑んでくる黒い光の狼は断然有利なようだ。

「デグ=バージナルト!」
しばらく接戦状態が続いた後、セウルはそう狼へと銃を向ける。
狼の動きが止まり、光の塊は狼の形からただの黒い光へと形態を変えた。
「おい!お前大丈夫か!?」
一瞬よろめいたセウルに徹は慌てて声をかけ、かけよる。
「やっつけたのか?」
徹はセウルの近くに行くとそう言って狼のほうを見る。



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