★mission23:初恋の君を防衛せよ★

「聖・・・」
彼女の声が背中から聞こえる。

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「小僧。お前・・・」
「なんかよくわかんないけどさ・・・。これだけは言う。」
春歌をかばった聖はダバに向き合う。
「春歌を傷つけるやつは許さねぇ!」
「ふん…人間ごときがたわごとを!」
ダバが聖に襲い掛かる。
「雹白連鎖!」
それと同時に聖は、札をダバに向かって放つ
(さっきは無理だったが、威嚇ぐらいには・・・)
そして、その放たれた札は小さな蛇となり、ダバにまきつく
そして、鎖となりダバの動きを鈍らせる
「なっ!」
ダバは小さく言葉を発する。そして、嬉しそうに言う。
「やはり、お前の力はいいな。今が食べごろだ。」
「食べごろ・・・?」
「?」
「そうだ、俺が育てていたんだ。お前をな」
ダバは嬉しそうに続けた。
「もっと力を得るために俺は考えた。能力のあるものをもっと強力にしようと。」
「そういえば…能力を食べて力を増やすダバが・・・」
「それが俺のことさ。」
セウルのつぶやきにダバはにやりと笑って言う
「うまい具合にお前に会えてよかったよ。お前の力は純度がいい。」
ダバはにやにや笑いながらそう言う。縛る鎖はだんだんと現界を迎える。
「うまい事増やせた。今日お前に接近する奴に取り付いて食べるつもりだったんだが、」
ダバはちらりと春歌を見る
「うまい具合にもう2人ひっかかったみたいだ。」

そういいながらもダバはゆっくりと聖と春歌を見る
(くっ・・・もう少しで・・・)
その様子にうずくまったままのセウルは慌てて引き金を引く。
自分の能力のコントロールが出来る自信はない。
多分、今のままだと打てる弾は残り1発。
(1発は捕獲用にとっておかないと・・・くっ。でも、まだあいつを捕獲できる状態じゃ・・・)

「・・・・・。わかった。」
しばらく黙った後、聖は言葉を発する。
それと同時に彼の周囲が段々と冷えていく。
「ひ、聖・・・・?」
「とりあえず、春歌や俺の力が増えたのはお前のせいだって事だな。」
「さぁ。その嬢さんはわかんないが、一緒に連れた餌、しかも極上の餌だ。」
ダバはにやりと笑う。
パリン
さっきまで拘束されていた鎖が外れる
「おいしく食わせてもらうさ。」
ダバが春歌に襲い掛かろうとした瞬間だった。
「龍雪白牙!」
聖はそう叫ぶと札を一枚取り出す
そして、その札はゆっくりと氷で出来た槍の姿になっていく

ズサ・・・

「うぐっ」
ダバに槍の雨が降る
「おい、お前。。。」
ダバを睨んだまま、聖は言葉を放つ
「力を増やしてくれたのは感謝するが、お前に俺は食われるつもりは無い。そして・・・」
いっそう冷たい視線をダバに向ける。
「さっき言っただろ。春歌を傷つけるやつはゆるさねぇ。」
聖がそうダバへの決め台詞のようなものを言った。
そのすぐ後だった
「ジョウ=セ=セウル」
その声と共に光が発せられる。
一瞬光に周囲が包まれる。
そして、ようやく聖がまぶしさから解放されて見た光景は
さっきまで存在していた良くわからないナニカはきえており、
「大丈夫ですか!セウルさん!」
そう言って自分の幼馴染が心配そうに男に駆け寄っている姿だった。

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