★mission22:少年を防衛せよ★
少年が見たものは大きなどす黒い塊。
そして、それを睨みつける銃を持った謎の男。
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「サージェントパースか・・・。きたな・・・。」
黒い塊が話を始める。そして、その形はゆっくりと変わっていく
「もうすぐであいつに転移できたのに・・・。」
「そんなことさせるか!」
セウルは塊を睨みつける。
「威勢だけはいいようだな・・・。若造。」
お互いにその場を動かず、会話をする。緊迫状態が続いている。
そして、その近くでは
「・・・?春歌、こ、これは…。」
「詳しい説明は後!」
驚く聖に春歌はさくっと言うと、先程までダバに憑かれていた少女を安全な場所へと移動させる。
「聖、悪いんだけどこの子と一緒にここにいてね。」
「あ。あぁ…。」
春歌は聖にそう言うとセウルの方へと向かう。
見慣れている幼馴染の背中
でも、いつものほんわかした雰囲気とは全く違う様子の春歌。
「あんな春歌…初めてみた。」
幼馴染の背中に、聖はそうつぶやいた。
(やばい、でかい…)
セウルは銃口を獲物に向けたまま焦っていた。
目の前の黒い塊ダバは形を狼へと変えていった…こっちに着てであった中で一番大きな形へと
(こりゃ、鈴花ちゃんのときと同じくらいの苦戦になるな…)
しかも、ここは学校。後ろには人がいる。そう暴れられない。
「若造、わかっているんだろ。」
黒い塊、ダバはにやりと笑うと銃口を向けるセウルを挑発するように言葉を続ける
「俺はそん所そこらのやつとは格が違うんだよ!」
グァッ!
突如、セウルに襲い掛かってくるダバ。
「シルファス=ラ=セウル」
瞬間、かわいらしい声が響きセウルの周囲を柔らかい光が包む。
グッ!
光のバリヤにはじき返されるダバ
「春歌ちゃん」
「さっき、シルファス預かっといて正解でしたね。」
セウルの目線の先には笑顔の春歌。
「もう1人いるのか・・・。」
「私の友達に近づかないで!」
その言葉にまっすぐな目でダバを見る春歌。
「春歌ちゃん・・・」
その真剣な様子にセウルはつぶやく
(何故だろう。身を削っているような必死さがある・・・)
「なんだ。お前はこっちの人間か…。それにしては空気が・・・」
ダバはそう言うと少し黙った後にやりとわらった。
「まぁいい。俺の餌が増えただけだ。」
そういうと同時にダバは勢いよく向きを変える。
「まて!」
セウルはあわててダバの方に銃口を向け、光を放つ。
それをダバはすばやく分ける。
そして、目指す先にいるのは聖。
「まちなさい!」
バンッ!
春歌はあわてて聖の直前にバリヤを張る。
「なんだ・・・」
「グッ・・・」
バリヤを壊そうとするダバとバリヤを護る春歌。
力と力がぶつかる。
セウルはその隙にダバに向けて光を放つ
だが、それをダバはバリヤで避ける。
「くっ!」
セウルはあわててダバの方へ向かおうとする。
が、その瞬間、何故か力が一瞬抜ける
「ふはは。甘いな。そこらの雑魚と一緒にするな。」
ダバはにやりと笑いながら言う。
いつのまにかセウルの身体がしびれる攻撃を仕掛けていたらしい。
「セウルさん!!」
春歌は叫んだ後、まっすぐとダバを睨む
「私の大切な人達を傷つけないで!」
その真剣そうな表情の少女に闇の固まりは向き合う。
「そうか、ならお前からだ!」
闇の塊はそう嬉しそうに言うと塊の一部を黒い光で出来た槍にかえる
「春歌!?」
さしせまる黒い光の槍。狙うは春歌。
「春歌!」
「キャーーーーー!」
「春歌ちゃん!」
慌てて駆け寄ろうとするセウル。だが、春歌のいる場所まで距離がある。
春歌は防御しかできない。
そして、攻撃できるセウルは遠い。
(もう、だめかも…)
春歌が目をつぶった瞬間、ゴーーーーという音が響き渡る。
「え…。」
春歌が目を開くと怪我一つ無かった。そのかわりに目にしたのは・・・
「聖・・・?」
「春歌!大丈夫か?」
防御をはって春歌を護る聖の姿だった。
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