★mission13:彼の給料UPを防衛せよ★

セウルの目の前には取り付かれた男が3名しかも初期症状にしては凶暴すぎる。
「まずいな・・・・・・。」
思わずぽつりとつぶやいた。正直にぶっちゃけると、体力的にも能力的にもこの戦いは辛い。
まぁ、最近は藍原兄妹のお陰でだいぶましなのだが…
「課長、給料UPしてくださいよぉ・・・。」
セウルは褒められた記憶よりもしかられた記憶の方が格段に多い自分の上司の怒鳴り顔を思い浮かべてつぶやいていた。

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「くっ!」
セウルの事情などお構いなしに男がナイフを持ち、振り下ろす。それをあわててセウルはぎりぎりの所でよける。
「迂闊だったな・・・。こうすぐにも浸透するとは・・・」
よほどこの男達は心が弱かったのだろうか、何かあった後だったのであろうか…。初期の症状と言うには浸透しすぎている…。
「セウル!」
後ろから声がする。徹だ。
「徹!早くこれをっ!」
セウルは急いで徹にセウルへと能力を伝えるブレスレットの形をした道具、シルファスを渡すために投げる。
「あぁ!」
そう言って徹がちょうど受け取ったときだった。
「がぁぁぁぁ!」
取り付かれた男の1人が徹の手を払う。
シルファスは遠くへとはじかれる。
「くっ!」
徹の攻撃能力の援助がないと体力的にも、能力的にもかなり辛いものがある。
まず、ダバをこの3人から取り外したいのだが、その為の足止めが1人だと難しい。
「これってかなりピンチってやつじゃん・・・。」
ぽつりとセウルは呟いた。
と、
「ちょっと、あんた達、一体何をしているの?」
凛とした少女の声が響く。
「鈴花!」
そう。それは鈴花だった。






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