★mission11:彼の理想を防衛せよ★
「セウル!?」
そう。そこにいたのは自分、藍原徹の家にすむ居候異世界人、セウルだった。
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「あはは。びっくりしただろ〜。」
慌ててやってきた徹にセウルはそう誇らしげに言う。
「おまえなぁ…。」
徹はため息をついてセウルを見た。
この人間セウル=アーレス。
一応、自分が成り行きではいる事になった防衛局日本支部の部長だ。
はっきりいってたよりにならない。
読者に「本当に部長なんですか」なんて確信を突かれたお言葉を頂いている事を徹は思い出した。
全く、そのとおりである。
しかも、この童顔男が22歳だと言うので驚きだ。
10代にしか見えないというのに…。
この童顔おちゃらけ男が自分より年上でありしかも上司であることが今でもまだ少し信じられない。
「徹、この人誰?」
と、徹の横で声がした。鈴花だ。
ちなみに、他のメンバーには先に行ってもらったらしく残っているのは鈴花だけなので、別に芸名で呼び合わなくてもよさそうだ。
「あぁ、こいつは最近転がり込んできたいそうろ…。」
「セウルと申します。」
徹の「居候発言」をさえぎるようにセウルは言った。…しかもなんだか紳士的だ。輝いている。
「女優の紅鈴花さんですよね?」
最近ワイドショーをよく見ている(=あまり仕事をしているように見えない)セウルは地球の一般常識などはあまり覚えない代わり
芸能情報やワイドショー情報に関してはそこらのおばさん以上となっていた。
・・・彼を日本に派遣したのは一体誰なんだ。ぶっちゃけ情けない。
それなので、話題の人気アクション女優、鈴花の事をもちろん彼は知っている。
鈴花はふと周囲を見渡す。誰もいないことを確認するとセウルをじっと見る。美人に見つめられ思わずドキッとしてしまうセウル。
やれやれとため息をつく徹。そんな2人の様子にも気づいていないようで、鈴花はびしっとセウルに言いきったった。
「70点。一応及第点ね。ま、私の好みじゃないけどぉ〜」
・・・・・・・・・・は?
その言葉にセイは一瞬固まった
品性方向、才色兼備、礼儀正しい女優、紅鈴花が態度の悪そうなギャル口調で喋っている…。
(まさか別人!?)
あわててセイは徹を見た。
「言っておくが本人だ。」
セイに同情しつつ徹は再びやれやれとため息をつき言った。
「えぇぇぇ!?」
「うるさいわね。真夜中にそんな声出すなんてちょ〜ヒジョ〜シキ。」
セイの言葉に鈴花はめんどくさそうな顔をする。
『今日の占いカウントダウ〜ン!残念〜最下位はおひつじ座のあなたです』
セウルの脳裏には朝のテレビ番組に出ている若い女子アナの声が響いていた。
(あぁ、俺っておひつじ座なのか…)
はっきりいって異世界の人間なのだから星座なんて関係ないような気がするんだが…
徹はセウルをかわいそうな目で見たあと言った。
「紹介する。こいつは俺の友人の月明鈴。アクション女優紅鈴花の本当の姿だ。」
「きゃはは。よろしく〜。」
セウルの戸惑いようが面白かったらしく鈴は嬉しそうにセウルに挨拶した。
「ヨ、ヨロシクオネガイシマス…」
(夢ならいいのに・・・)
そのあまりのギャップにセウルはそうとしか言えなかった。
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