★mission0:幕前★

彼は言う。
心というものは揺らめきやすいもの
時に穏やかで暖かい。
時に厳しく冷たい。
そして同じ生き物でもどこか異なる
強く、明るいもの
弱く、暗いもの
普遍の心はなく一刻一刻変化していく。

「だから、心は魅力的なのさ。」
彼はそういって笑った。

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「た、大変だ……。本部にすぐ連絡を!」
男は慌てて無線のような機会を手に取り、どこかへと連絡をとりはじめる。
「こちら捕獲収容局!本部応答してください!閉じ込めていたダバが全て脱出しました!
 どうやら、時空のひずみが現れ、パーソ界へおりた模様です!はい!ダバ全てです!!」

男がそう慌てたように早口で声をまくし立てる目の前には、銀色の大きな箱のような部屋があった。
・・・そしてその中はもぬけの殻だった。

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時は西暦1999年。12月31日。
偉大な予言者の残した恐怖の予言も外れたらしく、
明日から始まるミレ二アムイヤーに心躍らせる地球。
新年を迎える喜びの中、人々は知るはずもなかった。
今、地球に闇が降り立ったという事に…。

そしてその3ヵ月後。物語は始まるのだった。

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「ふぁぁ〜。」
そうあくびをしたよれよれの背広を来ている少年がひとり。
彼は、3月にしてはまだ肌寒い人のあまりいない早朝の町並みを歩いていた。
「どうやらここら辺なんだけど…。」
少年はそう言って周囲を見回す。
と、ピーと言う小さな音が彼の腕時計から聞こえてくる。
「あっ!こっちか!!」
少年は慌てて走り出し、そして地面をけると宙へと駆け出した。
いや、宙へと浮き、飛びたった。