★バレンタインSPその4★

バレンタインSPC
『彼と彼女とバレンタイン〜タケヒカ〜』


「ヒカリちゃんはチョコレート持って来ていないの?」
「へ?」
同じクラスの女の子に聞かれて、思わず変な声が出た。

今日は中学校最後のバレンタインデー。
受験が終わった子がおおいからか、
どこか浮かれている空気が教室に漂っている。

「持ってきているよ。友達に。」
「タケル君のは?」
ヒカリの答えにその女の子は好奇心いっぱいな目で聞き返した。
「え?あ、あるけど・・・。どうかしたの?」
「ううん、確認したかっただけ。やっぱりねぇ〜、そうなんだ。」
ヒカリの言葉に楽しそうに笑う女の子。
「タケル君、もてるから心配だろうけど、がんばってね。じゃぁ。」
話が見えないと首を傾げるヒカリを気にせず
女の子はじゃぁねと立ち去っていった。

「それ、多分ヒカリとタケル君が付き合っているって噂でしょ。」
朝、ぎりぎりにやってきた友達はヒカリにそう言った。
「小学校からそんな話あったけど、卒業間近にまた大きく広まっているみたいね。」
冷静に分析してヒカリを見て笑う。
「べっ、別に私とタケル君はそういう関係じゃ…」
「といいつつ、焦っているでしょ。」
言葉に一瞬無言になる。
「べ、別に・・・」
「解っているの?高校別々なんだよ?」
言葉に詰まるヒカリに友人はそう諭す。
「そろそろ、気持ちつたえたら?」


「そんな事言われても…。」
放課後。
裏庭でぼぉっとしながらヒカリは友達の言葉を頭の中で繰り返していた。
4月から保母になるため、ヒカリは大学がある私立の女子高へ
そして、タケルは賢と大輔と同じ都立高校へと進学する。
家はもちろん近いし、会うことは出来るだろう。
でも、明らかに違う時間を歩む。違う生活が始まる。
小学生の頃のように互いの近況を伝え合うのだろうか?
もし、この関係が少しでも変化したとしてもそうしていられる?
・・・それが怖い。
それに、焦って変化させようとしている自分がいる事に気づいて。
そんな風にすぐに答えを出していい問題じゃない気がするから。
だって、ようやく中学3年生になって
「恋をしている」って事に気づいた。
でも、それは今は膨らみ始めたばかりの蕾で、
まだ伝えるには早い気がする。
「どうしたらいいのかな…。」
そんな、すぐに答えを出すものなのかな。
去年、大輔に告白された事を思い出した。
彼は、私に伝えようと思ったきっかけはなんだったんだろう。
聞いていないし解らないけど、
「言ってよかった」って言った後に笑ってくれた。

…私は今言ってそんな気持ちになれる自信がない。

気づいたら外は暗くなってきていた。
太一に心配される前に帰ろうとヒカリは裏庭を後にしようとした。
友人に言われた事が気がかりで、
タケルにチョコレートを渡すタイミングをなくしていた。
・・・しょうがない。クラスも遠いしなぁ。
今度、家のほうに持っていこう。
ヒカリがため息をついたときにだった。
「あっ、あの、高石君。」
遠くで女の子の声がした。
ヒカリはさっき大輔にチョコを持っていったときに
タケルがまた呼び出しをくらっているとぼやいていたのを思い出した。

「これ、もらってください。」
「あ、ありがとう。」
あわててかける音。がして、そのやり取りは終わったようだ。

やっぱりもてるなぁ。
そう思うとなんだか胸が痛んだ。

そんな事を考えている時だった。
「あれ?ヒカリちゃん?」
タケルに後ろから声をかけられたのは。

暗いから送るといわれて
ヒカリはまだ答えを見出せないままタケルと帰る事になった。
「タケル君、もてるんだね。」
「そうかな?」
チョコレートの入った紙袋を見て観想を言うヒカリに
タケルは首を傾げつつ答える。
「あ、そうだ。あのね。これ・・・。」
「あ。ありがとう。よかった〜、もらえないのかと思ってたんだ。」
「え?」
チョコレート嬉しそうな顔で見るタケルに
思わず、声がでる。
「きちんと手作りしてくれるでしょ?手が込んでいるし・・・
 それにさ、きちんと僕の事考えて作ってくれているのが伝わるから。
 母さんと同じ位毎年楽しみなんだ。」
そう言うとヒカリにいつもありがとうと言って笑った。
そしてヒカリもこちらこそ嬉しいといって笑った。

笑顔を見て思った
あぁ、別にいまはこれでいいんだって。
多分、その迷っている言葉はいつかすんなり出て行こうとするから。
それまでは焦らなくても大丈夫で焦るものでもないんだって。
多分、君と僕v 今、未来に向かってお互いに歩いている事に意味があると思うから。



ちなみに、同じ頃
あまりにも帰りが遅いと心配した太一が
大騒ぎしていたのは
・・・また別のお話。


*****コメント******
タケヒカ大好き〜><
自称永遠のタケヒカンのみかんですが
久々のタケヒカssでした。
現在(ちょうど明日)のタケヒカ。
大輔はヒカリに告白して振られちゃっていて
今はいい関係を築けているという設定です。

時間に押しつぶされそうになるヒカリを書きたかったのですが
なんだか、よくわかんなくなってしまったかも;
タケルは天然王子でいて欲しいです。
それがどこまで表現できたのか自信ないですが(-><;)
もっとがんばれ私。