●セリフ37『手料理作ってよ』●
遠方の友人と久々に電話する
気のあう友人との電話はまだまだ続く。
『TELEPHONExxx』
高瀬詩織+牧野徹也
「でさ、こないだはさ〜。」
「マキノ、よく家庭教師やってられんね。」
「だって、俺勉強好きだし。子供もかわいいしな」
「うわっ!マキノのセリフじゃないしっ!」
電話の奥で笑っているマキノの声。
一時、ぎこちなくなった時もあるが、
結局のところ、私とあいつは一緒につるむのがなれているからか
いつの間にか次連絡したときには元に戻っていた
「もうすぐ、テストだよ。」
「俺も。大学生になってから時間たつのはやいな。」
「確かにね。」
「もう二年生かぁ。」
去年、お互いに志望の大学に入れて喜んでいたのが
ついこの間のように感じる
・・・って
「じじくさいよ。」
「わりぃ。」
私のつっこみにマキノの笑う声がする。
「あ。腹減った〜」
ふとぼやく声が聞こえる。時計はもう11時を過ぎている。
「食べてないの?」
「食料買うの忘れてた。今からいくの面倒だなぁ・・・。」
マキノがぼやく。
「少しは作らないと栄養偏るよ」
「わかってるけど、俺の性にあわねぇ。」
私の言葉にマキノはそう返答する。
そう、こいつ、料理だけは苦手なんだ。
家庭科の調理実習で面倒だからやってくれなどとわざわざ私に頼んだ事が懐かしい
「…なにわらってんだよ。」
「笑ってないよ。ただ、高校の家庭科を思い出しただけ。」
「うっわ!俺が料理が苦手なこと思い出したんだろ。」
「まぁね〜。ってか、ちょっとは料理つくりなよ。」
「気が向いたらな・・・・・・あ。いいものみっけ。」
電話の向こうでがさごそと音がする。
「・・・何食べようとしてるの?」
「バランス栄養食。…ぱさついて微妙。」
「だめじゃん。ちゃんと料理しろよ〜。」
マキノの様子に笑いを交えつつ言葉をおくる。
「あ。そうだ。」
「何?」
そんな私の言葉に対し、マキノはとんでもないことを言った。
「手料理作ってよ。」
・・・・・・
「はぁ?」
「だって、お前料理うまいじゃん。俺も健康になれるし。」
「唐突だね。」
「今、思いついたからな。来ない〜?」
マキノは冗談で言っているんだろう。
だって、遠いし!
ムリじゃん!・・・でもそうか。タッパーに入れて宅配するか。
え?でもどうなんだろ。何食べるかな・・・和食か?
親友の健康を気遣いつつ、おもわずそんな思考がめぐる。
「ん?高瀬?」
「なに?」
ちょっと無言になってしまったのでマキノは慌てて声を確かめる。
そりゃぁな。一回、私怒ってそのまま切ってぎこちなくなったんだしなぁ。
「じょうだんだからな?」
「わかってるよ。」
やっぱりかとちょっと残念に思いながら私はマキノに返答する。
・・・ん?残念?????
まぁ、親友に料理作ったり楽しそうだしな。
だからだな。・・・うん。
その後も続くたわいも無い会話。
「じゃぁ、今度帰省した時に!」
わかれた言葉。
電話を切った頃にはあの時の気持ちなんて忘れていた。
*********comment*******
牧野は1人暮らし。カップめんとかですませているといい。
私の周囲の友人にもそういうタイプがいます。
大学生になって衝撃を受けた言葉
「電子レンジとお湯を使えば料理だ!!!」
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