●セリフ36『良い子にしてた?』●

「よろしくおねがいしますっ。」
ひとなつっこい笑顔を向けた彼女
それからもうすぐ3年がたつ。

『時が過ぎる』
  佐川智哉+高瀬友里


「これ。お土産。」
「わぁ〜い。ありがとうございます。」
手渡すお土産の箱を嬉しそうに受け取り、テーブルに置く
そんな1歳しか違わない友里の様子は佐川の目には無邪気に見える。
一歳差と言うか…ぶっちゃけ子供みたいだ。
「あ。何笑ってるんですか?」
「なんでも〜。」
そうですかぁ〜?
友里はそう言って笑った佐川を見る。

彼女とであったのは1年前のサークル受付。
目をキラキラさせながら、入りたいと意気込む彼女。
そのまっすぐな気持ちに、初対面から印象が良かった。
「佐川は高瀬さんな。」
それぞれの2,3年生が、後輩に1対1でサークルの説明をする中、
彼女は佐川が担当して説明をした。
それがきっかけで仲良くなり、よく取材にも同行しているので
同じ学年の中でもよく面倒を見る妹みたいな後輩だ。

(それが、こんなに大きくなって・・・)
彼女が1年生の時、悩んでいた彼女に声をかけたこともあった。
2年生の時、恐る恐る原稿についてよく相談された。
そして、自分が就職活動を始め、彼女がサークルの中でも責任を持つ立場になる
・・・・・・あの頃からそんなに時間がたったのか。
…ってなんか俺、オヤジくさいな。


「あの、佐川さん・・・?」
ふと我に返ると心配そうな友里が首をかしげる。
「大丈夫ですか?」
その表情は1年前よりもちゃんと大人になった表情。
こういうときはやっぱり彼女は女の子なんだなぁと思う。

まぁ、彼女にはそんなこといわないけどさ。
なんか、改めてそういうのいうの恥ずかしいし。。
かわりに、いつもの様にからかっておくか。


「なんでもない。」
佐川は笑いながら友里の頭をぽんと叩いて笑った。
「いない間、良い子にしてた?」
「さがわさんっ!!」
からかう佐川に友里はまったくと言う声を出す


年月がたつ。
お互いに成長した2人。
少しだけ成長したまま、また春がやってくる


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時が過ぎたんだなぁと感慨深い佐川
妹だと思っていた子が成長していく。
それがなんだか不思議な気持ち


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