●セリフ31『悲しくなんてない』●

嬉しそうな顔をする君
君に言われた言葉に
心に動揺が生まれた

『手に入れたくて無理だったもの』<4years ago>
 羽住和也→高瀬友里


「あのね、私博之君とつきあってるんだ。」
嬉しそうに友里に言われた。
「え?いつの間に…」
「うん。実は、この間ね。」
嬉しそうに笑いながら言う友里。
偶然、再会した事。
いろいろな話をしたこと。
付き合ってほしいといわれたこと。
うなづいた事。

たわいもないその様な事を僕に話す。

「…?カズ、どうかしたの?」
不思議そうな顔をして友里は聞く。
「なんでもないよ。ただ、びっくりしただけ。」
そう、びっくりした。
僕に見せないような表情を君が見せるから。
すっごく嬉しそうな、
世界で一番幸せな女の子のような表情。
それは、僕が見たかったのに
一度も見たことない君の表情。


用事あるからと別れた君の背中。 「悲しくなんてない」
1人つぶやいた。

そう、この感情は悲しいとは違う。
ただ、自分が情けないと感じただけ。
どこかでわかっていた。
彼女に何か言わなければ始まらない事。
だけど、僕はこのまま時間がたてば何もしなくてもうまく行く。
そうかんちがいをしていたんだから。


*********comment*******
和也→友里。
見守るというところは兄弟一緒。
友達の彼女になった
けっこう複雑な気持ちの和也少年。


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