●セリフ30『きっと晴れるよ』●
バイト先。深夜の時間。
人も少なくなったレンタルショップのレジは
ちょっとしたおしゃべり場になる
『深夜の会話。』
望月渚+佐川智哉
「こないだのデート、映画どうだった?」
与えられた仕事をしながらそう私に声をかけるのは佐川君。
同じバイト先で多分私の次に長い男の子。
人の話をきちんと聞くしっかりさんで、いろいろと話がしやすい。
…ってあれ?
「デートって話したっけ?」
「ううん。してはないけど、望月さんいっつも顔でわかるもん。」
にやにやわらいつつ言う佐川君。
ずばり、彼の趣味は人間観察。意外と鋭い。
…よく、店でもお客さん観察してるしなぁ。
「ずばり、明日もデートかなんか?」
「…当たり。ちょっと出かけようって。」
「へ〜。いいなぁ、俺も恋したいよ。」
そんな事ぼやいてる。
「でも、サークルになんかお気に入りの子いるって言ってなかったっけ?」
「うん、そうだけど。」
実は、佐川君のお気に入りの子が誰か、私は知っている。
佐川君が教えてくれたわけじゃなくって
実は彼氏の和也が偶然にも佐川君のサークルに入っているから。
和也や佐川君の話を聞いていてなんとなく。
かわいい女の子だ。
「でも、俺恋よりも先に内定とかの方が気になるし。
…それに、今はサークルのみんなで騒ぐのが楽しいし。」
恋愛映画見るとやっぱり彼女ほしいとか思っちゃうけどさ。
そう言ってうなる佐川君。
…なんだかんだいって多分まだ恋愛方面にそこまで興味がないんだろうな。
私の周囲にも結構いる。
「望月さん笑ってるけど、やっぱ明日楽しみなの?」
思わず佐川君のこと考えて笑っていた私に佐川君はそう声をかける。
「ま、明日は楽しいサークル活動だから俺も楽しみなんだけどね。」
晴れないかなぁと彼は続ける。
「きっと晴れるよ。」
私は携帯で確認しようとする彼にそう断言した。
だって、窓の外は綺麗な星空だもん。
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バイト先でおしゃべりってしません?
…店長ごめんなさい。しまs(マテ
近所のレンタルショップのバイトさんがわいわいやっていたので
今回はそんなイメージで書いていました。
この二人はお互いの恋愛感とかを玉に語ってたらいいなと。
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