●セリフ26『雪降らないかな?』●

春、貴方に出会い
夏、貴方と喧嘩して
秋、貴方が好きだと再確認した。
そして・・・

『Snow』<1years ago>
 中川加奈v森博之


私の生まれた町は雪なんてほとんど積もらない町で
白くなる景色に憧れていた

「雪降らないかな?」
空が冬空になり、冷え込んでいた。
「加奈〜、何で今そんな事言うんだよ。」
窓の外を眺める私に博之は顔をしかめつつそう言葉をかける。
確かにそうかもしれない。
なんせ、私は現在進行中で風邪をひいているのだ。
「だって、私の出身地、全然雪積もらないもん。」
そう積もっても3センチ。
土交じりの少し水っぽい雪。
だから、憧れていた。真っ白な景色に。
「そっかぁ。俺にしてみれば、雪なんて珍しくないけどね。」
やっぱ地方によって違うんだなと、
私の話を聞きながら彼はやさしく看病をしてくれる。
頭にのるひえぴたが気持ちいい。
「夢なの。友達と雪合戦して、雪だるま作って、おっきいかまくらはいって・・・」
「ここは、そこそこ雪積もるから夢が叶うよ。」
私の言葉に、優しい彼の言葉が小雨のように振る。
それがすごく心地いい。

風邪をひいてちょっとついていないなって思ったのに。
なんでだろう。
彼がずっとそばにいるのなら、風邪でもいいかなって思っちゃう
彼がいる安心感と、少しどきどきした気持ち。
それはお母さんの看病とは少し違う気持ち。

「まぁ、大きなかまくら…は無理だけど。」
だから、早く風邪治そうなとやさしく彼は続けた。

夢を見た。雪にはしゃいで遊んでいる夢。
大きな雪だるまを作って、雪合戦して、
かまくらを作る夢。
そばには友達。そして隣には笑顔の貴方。


貴方と出会ってはじめて2人ですごす冬がはじまる。


*********comment*******
私の実家は雪が積もりません。
だから、大学生になる時に冬をすごく楽しみにしてました。
ヒロは元こっちの住人みたいなのをだしたくてこんな感じ。
春先にこのお題かくのってなんだか面白かったです。
カップルだからこその空間を意識してみました。


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