●セリフ25『悪かったな』●
桜が咲く季節がまたやってくる。
春 出会いの季節
そして・・・
『もうすぐサクラサク』
高瀬詩織←藍原久司
「詩織さんに話があるんです。」
3月。
あいつからそうメールがあった。
そういえば、日和からあいつが合格したと聞いた。
大学合格の報告かもな。
そう思い、私はあいつに指定されたCafeにいる。
あいつと2人でいるのはぶっちゃけ苦手だ。
…だって、後ろで何考えてるか謎だし。
…ぜってぇ、私のやるゲームのキャラの腹黒魔王に似ている。
・・・そう思っていても、こうやって会うのは、
やはり可愛い後輩だし、無視する事もできないからで・・・。
それに、苦手といいつつも、
きちんと他人の話を聞くあいつの姿勢は嫌いではない。
「あ。詩織さん待ちました?」
そんな事をぼんやりと考えていると声がかかる。
制服姿のあいつ。
「別に。大して待っていないよ」
「そうですか。」
私の言葉にそう安堵するとコーヒーを注文するあいつ。
「さて・・・お話と言うのは、大学合格の報告です。」
少し落ち着いた後あいつはそう口を開く。
やっぱり。そんなことだろうとおもったわ。
「無事、合格決まりました。」
「そっかぁ。だから、報告か。いろいろと受験の話、したしね。」
「まぁ、そこまで役に立たないものもありましたけど。」
「わるかったわね。」
私の言葉に失礼にもそう返しやがるあいつ。やはり腹黒。
冗談ですよと笑うあいつはどこか優位に見えて・・・悔しい。
「そういえば、大学どこ行くか聞いてなかったよね。」
会計を済ませた私がふと言うと、あいつはさらりと答えた。
「詩織さんと同じところですよ。」
「へ〜。県外にでないんだ。」
「はい。詩織さんに会いたくて…なんていったらどうします?」
私にあいつはそんな言葉を勝手に言うと、自己完結。
また春にお会いしましょうといって去っていった。
・・・どうやって反応すべきかわかんなかった。
桜が咲く季節がまたやってくる。
春 出会いの季節
そして・・・変化の季節。
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新しい春が来る。
告白なのかすれすれの言葉を言う久司君。
反応に困る詩織さん。
春が来る。
それは、多分なにかがはじまる季節なんだ。
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