●セリフ21『伝えたい事があるんだ。』●

「孝之、一緒にかえろ〜!」
「おう。」
それはいつもの帰り道。

『テスト週間のヒトコマ』
 羽住孝之+藍瀬日和


テスト週間は部活がなくてさびしいとぼやく君。
その横でそうだなとだけ僕は返答を返す。
「まっ、部活ないから孝之とのんびり帰れるんだけどね。」
笑顔でそういうあいつ。
その姿がむかつくほどにかわいすぎたので、思わず口に出ていた。
「俺、お前に、伝えたい事があるんだ。」
言った後に思わず後悔。
「え?なになに?」
嬉しそうに目を見開いているあいつ。
今、勢いで言うしかない!
俺の心の声が後押し。・・・よし!

「あ、あの…あ、明日のテスト難しいらしいからがんばれよ。」
「うん。」

・・・俺のアホ。違うだろ。
「数学、こないだの宿題も難しかったしね〜。」
横で俺の心など気にせず、明日の数学テストについて話すあいつ。


最近思う。今まで、俺に告白してくれた子は本当に勇気があると。
俺って、もてる事にいい気になってたのかも・・・。
そして、今その仕返しがきたのか!?
・・・・・・って、そこがもんだいじゃない。
ただ、俺が勇気を出せばいいだけなんだろうけど。

「孝之!遅いよ!」
数メートル先で待つ。
無邪気な君を見つつやれやれとため息をついた。

*********comment*******
告白って本当勇気がいることだ。
勢いでいうにしても相当の勢いがないと無理。
改めて告白できない孝之。
のんびり日和。
もうすぐ高校はテスト週間だよなとこういうかたちになりました。

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