●セリフ1『そろそろ起きなさい』●

なぁお願いだ。そろそろ目覚めてくれないか。

『彼の苦悩』
〜羽住孝之→高瀬日和〜


きみはなんでそんなに鈍いのだろう・・・。

「なぁ、お前それはわざとか・・・?」
おもわずつぶやいた僕の目の前には心地よい寝息を立てる君がいる。
無防備。あまりにも無防備・・・。
僕と君の関係は一体何なのだろう。
幼いころからの友達?
友達というには親しすぎるけど、だからといって恋人ではない。
いや、僕は恋人になりたいんだけどさ・・・
君は僕の行動に対して何にも反応を示さない。
いや、僕の好きな子を知りたがるあたり、真意に気づいてさえいない。
君には恋の参考書も必勝法も通用しない。
まず、それよりもまえにとりあえず、
君が恋という気持ちを知っているかも不安だ。

そんな僕の気持ちを知っているのか知らないのか・・・。
高校に入っても君は僕の隣を歩いてくれる。
それだけのことがすごく嬉しい。


…全く、やっかいな人を好きになったものだ。
それでも君が愛しい僕はかなり重症だ。
「そろそろ起きろよ。」
そうだ。目覚めてくれ。
そんな無防備な姿を誰にもかまわずにさらさないでくれ
そして、せめて恋心に目覚めてはくれないだろうか
ため息と共にそう言い僕は君を起こしにかかる。

さぁ、君をどうやって起こすべきだろうか・・・


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トップバッターはこれから始まるオムニバスって感じで書きました。
恋に目覚めてくれと叫ぶ悲痛男子、孝之。
アオハルは大好きです。高校生あたりの。


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